完全予約制の小さな寿司屋「Kake」
「Kake」はどんなお店?
ロンドン市内でも珍しい江戸前鮨が食べられる、小さな寿司バー「Kake」(カケ)。
寿司レストラン「Chisou」のスピンオフによって生まれたお店です。
2020年、イギリスがコロナ禍でロックダウンの最中に「Kake」はオープンしました。
季節の食材をふんだんに使い、視覚と味覚から季節の移ろいを実感することができるでしょう。
高度の日本の技術を使うシェフがいる、知る人ぞ知るお店です。
「Kake」の場所は?
「Kake」の最寄り駅は、地下鉄UndergroundのPiccadilly Line(ピカデリーライン)「Knightsbridge」駅(ナイツブリッジ)から歩いて徒歩約8分のところにあります。
または、地下鉄UndergroundのCircle Line(サークルライン)、District Line(ディストリクトライン)が通る、「South Kensington」駅(サウスケンジントン)から、徒歩約13分で着くことができます。
ナイトブリッジ周辺は、様々な百貨店やブランドショップが集まるロンドン屈指のショッピングエリアの一つでもあります。
中でも、イギリス最大級の高級老舗百貨店ハロッズは「世界一の百貨店」としても知られており、常にセレブな買い物客で賑わっています。建物の中はまるでテーマパークのようであまりの広さに驚くことでしょう。ハロッズのキャラクターやハロッズオリジナル商品もこちらで買うことができ、お土産も買うことができます。
「Kake」は1stフロアーになります。(日本の2階)
Ground フロアー(日本の1階)に、「Chisou」があります。
「Kake」へ行かれる方は階段で一つ上の階へ上がりましょう。
そのお値段は・・・?
メニューは至ってシンプルです。
ディーナーのメニューは2つのみ
18:00開始
寿司テイスティングメニュー 110ポンド
20:30開始
フルおまかせメニュー 145ポンド
※2021/7現在、ランチはやっておりません。
日本円にすると、110ポンド→約16,500円、145ポンド→約21,750円(1ポンド=150円)と、日本で食べるちょっと高級な江戸前寿司くらいのお値段です。高いと感じるか安いと感じるかは本人次第ですが、イギリスではなかなか食べられない物ですので付加価値が高いのではないでしょうか。
ちなみにドリンクは別料金ですのでご注意ください。
ドリンクは何を飲む?
基本的に日本酒に力を入れています。
ただ、日本酒が苦手な方はビールやその他のメニューを頼みましょう。
なお、サービスで冷たいお茶が提供されるのでお酒が飲めない方でも大丈夫です。
145ポンドのフルおまかせメニュー
少し見にくいですがこちらが本日頂く、初夏おまかせメニューになります。
結構な品数があり、また寿司だけでなくアラカルトも楽しめるコースです。
Sakizuke
先付けは、razor clam(レーザークラムは日本ではマテ貝と呼ばれる細長い貝の1種)、scallop(ホタテ)、水菜の酢の物と、甘酒です。
貝のコリコリ感とほんのり効いたお酢が食欲を増進させてくれます。
外国で甘酒を飲んだのは初めてです。
Mukozuke
向付(むこうづけ)とは、旬のお魚を用いたお造りのことです。
イギリスでは珍しい、活け締めされた、arctic charr(北極イワナ)、細かく刻まれたワサビの茎、煎り酒のゼリー。
新鮮なお魚と、ピリ辛ワサビ、ゼリーがとても合います。
お刺身をとっても舌触りが滑らかで、上品な味に仕上げてあります。
Futamono
蓋物は、アスパラガスの味噌汁です。
kai-lan(カイランは中国野菜でまたの名をChinese broccoliといいます)と、kinome(サンショウの若葉)が使われており、白みそであっさりと仕上げてあり、食感も生かした鮮やかなお椀物です。
花びらのデコレーション可愛い!!
Yakimono
cauliflower fungus(日本でいう、ハナビラタケとゆうキノコの1種)の焼き物。
バターで炒めたハナビラタケに行者にんにくの麹ソースが絡み絶品です。これは美味しい!!
口直しにワサビの茎のピクルスがまたいい仕事をします。
ここからはお鮨になります。
まず初めに、お寿司の開始とともに漬物の盛り合わせが配られます。
こちらはなくなるとすぐに新しい物をいただけます。
Kombu cured Brill
Brill(ブリル)は、ヒラメの仲間でイギリスでは有名な魚です。ヒラメより大きめサイズなのが特徴。
ブリルの昆布締め。昆布で締めることにより風味が倍増、うまみが染み込んでいます。
seabass
seabass(シーバス)は日本でも聞き覚えがあるかと思います。
シーバスはスズキ(鱸)です。
シーバスのお鮨は弾力のある歯ごたえを楽しめます。
Red Mullet
Red Mullet(レッドムレット)は日本名はヒメジまたはウミヒゴイといい、日本では通称オジサンと呼ばれています。
日本ではあまり市場に出回ることはないためあまり有名ではないそうです。
かくゆう私も初めて食べました。
味は淡白だけど繊細、上にちょこんと乗ったからすみとよく合います。
Trout
Trout(トラウト)は日本ではマスです。
Salmon(サケ)とTrout(マス)の違いは、海水で生活するものをsalmon、淡水で生活するものをTroutと呼んでいます。
もっちりしていて安心する美味しさ。
Razor clam
Razor clam(レーザークラム)は日本のマテ貝です。
マテ貝は刺身にするには難しいと聞いたことがありましたが、とっても上手に処理されているのがわかります。
むっちりとしていて弾力があり歯ごたえが楽しめます。
Scallop
Scallop(スカロップ)は日本語で、ホタテです。
日本でもお馴染みのホタテのお鮨。
上に削られたからすみがほんのり振りかけてあり、舌の上でとろけます。安定の美味しさです。
Langoustine
Langoustine(ラングスティーヌ)は日本語では赤座海老(アカザエビ)といいます。
日本でも高値で取引されるアカザエビは、非常に甘みが強くねっとりとしていて、とても濃厚です。
Hashiyasume
お寿司は一度休憩になり、箸休めです。
豆腐、2種類のイクラ、紫蘇ジェリー。
日本のものより弾力が強めのイクラは口の中でパチンと弾け、また淡白な豆腐とスッキリとした紫蘇のジェリーと絡みバランスがとてもよく取れています。
Mackerel
Mackerel(マカレル)とは日本語でサバです。
脂が程よく乗ったサバは口の中でとろけます。
イギリスで、まさか光物のお寿司が食べれるなんて感動です。
3 Kinds of Tuna
Tuna(ツナ)は日本語でまぐろです。
ここからは3種類のマグロ3連発です。
1つ目は赤身。
マグロ本来のうまみを存分に感じられる。丁寧な仕事が納得できる1品。
2つ目は中トロ。
程よい脂の乗りと、赤身のバランスがよく調和していて気分も最高潮です。
私の中の1位は君だ!!
3つ目は大トロ。
うま味がたっぷり詰まった脂は、口の中で一瞬で消えてしまう。
これぞ贅沢中の贅沢でしょう。
temaki
お寿司の最後の締めは手巻き寿司です。
脂の乗ったまぐろと、ちょうどいいお酢加減のシャリと、パリパリの海苔がベストバランス!
Mizumono
水物(みずもの)は、食後のデザートを意味します。
米麹のスポンジケーキに、elder flower(エルダーフラワーと呼ばれるハーブ)、rhubarb(ルバーブと呼ばれる植物)、チェリーブロッサムのパウダーが使われています。
少し酸味を感じるソースに米麹のスポンジが絶妙によく合う、最後の締めにピッタリのデザートでした。
今回握ってくれたシェフ
日本の方かと思いきや、外国人の方でした。ハンガリー出身だそうです。
一人で6人分の料理をすべて対応しておりました。素晴らしい。
寿司の握り方もよく勉強されていて、丁度よく完璧だと感じました。
外国人の方が日本の文化や料理技術を興味を持ち、勉強して、実際に作るのを見て、日本人として非常に嬉しく感じました。
ありがとうございます。
店名:Kake
住所:1st Floor, 31 Beauchamp Place, London, SW3 1NU
営業時間:18:00 or 20:30 開始(遅刻厳禁)
定休日:日・月
Email: info@kakesw3.com
電話番号:tel:0207 581 5257
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